意思決定は合理的か?
- 横田潤一郎
- 2016年1月18日
- 読了時間: 2分
撮り貯めていたNHKの白熱教室を観ていると、大変興味深い講義が行われていました。
意思決定は”合理的”か?
例として出ていたのが、ヨーロッパで国別の臓器提供の意思のある人の割合。

各国によって大きく数字が変わっていますね。
右側のグループはほぼ100%で、左側は極めて低い割合のグループ。
文化の違い、宗教の違い、法律で義務付けられているなど様々な理由が予想されます。
しかし、オーストラリアとドイツ、スウェーデンとデンマークなど似た国でも大きく数字が異なっています。
実は、意思表示カードの書式の違いがこの数字の違いに繋がっていました。

左側の割合の低いグループの国では、
「臓器提供プログラムに参加したい人はチェックして下さい」
右の割合の高いグループの国では、
「臓器提供プログラムに参加したくない人はチェックして下さい」
この書式の違いだけ。

上は、オプトイン参加選択方式
下は、オプトアウト参加選択方式と言われています。
臓器提供は、複雑な事情が絡み合った大変大きな難題です。
人間はこれほど大きな難題に出くわした時、どの様な行動を取るか。
なんと、何もせず、書式を作った人に決めてもらうという行動を取ってしまうといいます。

つまり、難題に対して人が行動するのは始めの設定、デフォルトが極めて重要な要素を締めています。
雪道の轍を歩むように、人は楽な選択肢を選ぶ。
デフォルトは一番楽な選択肢であると共に、専門家からのお勧めの選択と見なされる傾向にあります。
この書式の違いだけでこんなにも結果が大きく変わってします。
初期のデフォルトの違いが如何に重要なのかを示していますね。
合理的に意思決定しているかと言う視点でもう一つ例があげられていました。
下記の2つの書式があれば同じピザが出来上がるか。


チェックするのも、チェックを外すのも面倒なため、上のピザよりも、下のピザの方がトッピングが多くなります。
起業家向けに行われている講義の為、”人の怠慢さを常に考慮せよ”というアドバイスが行われていました。
あまり重要視されていない書式という事が、これほど大きな影響を与えているとは、正直驚きました。
これらを見ていると、書式を上手く使うことができれば、大きな力になりそうですね。
תגובות