市場浸透には時間がかかる~イノベーター理論~
- 横田潤一郎
- 2016年2月10日
- 読了時間: 3分
皆さんはこんなキャラクターをご存じでしょうか。

ししゃもねこという、徳島県のゆるキャラです。
私は一ヶ月程前、徳島県のサービスエリアで一目惚れして購入しました。
スマホに付けて持ち歩いていると、行く先々で色々人から批判の声が。
なぜこの良さが分からないと嘆いておりましたが、先日の東京ギフトショーでししゃもねこのブースが出ていたと言うことでチラシをいただきました。

ついにギフトショーに進出するようになったかと感慨深くチラシを見ていると、
創られたのは、2011年のようですね。
すでに5年の年月が経っていました。
新規事業に携わると感じる事ですが、市場に商品が認知されていくまでには結構な時間がかかってしまいます。
例えば携帯電話。

この普及率の推移を見ていくと7年目までは10%にも満たない状況だったのが分かります。
市場に浸透させて行くには16%の壁があると言われており、これの壁がキャズムと呼ばれています。
なぜ16%なのかというのを詳しく説明するために、下の図をご覧ください。

イノベーター理論というのは、新製品や新サービスの市場浸透に関する理論の事です。
1962年にエベレット・M・ロジャースによって提唱されました。
この理論によると新製品や新サービスの購入態度をもとに、顧客を5つのタイプに分類します。
イノベーター:革新者 専門知識に裏打ちされた好奇心が旺盛で、自分の価値観は社会の中で相容れないものと考えている。
冒険的で新商品が出ると進んで採用する特徴があります。 市場全体の2.5%を構成する。
アーリーアダプター:初期採用者
イノベーター同様、豊富な専門知識を持ち旺盛な好奇心のもとで積極的に情報収集を行う。
イノベーターとは異なり、自分の考えは社会に調和していると考える。
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する人々の層。 市場全体の13.5%を構成する。
アーリーマジョリティ:前期追随者
仕事の効率化やコスト削減が図れるかといった効果を重視するタイプ。
慎重派ではあるものの、全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。 市場全体の34.0%を構成する。
レイトマジョリティ:後期追随者 新しい商品の採用には消極的。 周囲の大多数が使用しているという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成する。
ラガード:遅滞者 一般的な商品やサービスのみを取り扱う 最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。 市場全体の16.0%を構成する。
このような順番で新商品や新サービスは浸透していくとされております。
このタイプの中で先進的なモノを積極的に取り入れるとされている、イノベーターとアーリーアダプター。
この2つのタイプの比率を合わせると、2.5%+13.5%=16%となります。
つまり、16%を超えて、アーリーマジョリティにまで商品・サービスが提供されれば、その後市場に大きく浸透していく可能性が高いと言うことになります。
実際、先ほどの携帯電話の普及率を見ても、19.8%を付けた7年目からは毎年10%程の伸び率を示しています。
この様に新商品・新サービスに対して色々な受け取り方をする顧客がいるため、
新規事業で創ったものは、市場に受け入れられるまでに多くの時間がかかってしまいます。
その為、市場に浸透する前に撤退してしまう商品も数多くあったかと思います。
携帯電話も6年目までであきらめていたら、現在のような普及は見込めなかったかもしれません。
冒頭に紹介しましたししゃもねこも今年で5年目。
そろそろはやって来てもおかしくないかもしれませんよ。
まもなく3年目に突入するあそぼーたんも、この様に大きく育てていきたいと思います。
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