瀬戸内国際芸術祭 直島~家プロジェクト 後編~
- 横田潤一郎
- 2016年1月12日
- 読了時間: 3分
前回の続き、直島の家プロジェクトについて書いていきます。
前回の記事はこちら

石橋/千住博
かつて製塩業を営んでいた石橋邸を、千住博の作品空間として再建。
千住が瀬戸内の風景に触発され描いた襖絵を中心に、母屋と庭が一体となった《空の庭》と、
蔵の中で自然光のもと鑑賞する《ザ・フォールズ》とが公開されています。
(共通チケットより抜粋)
墨で描かれているのか、見事な襖絵に魅了されました。
そして先に進むと蔵の中にアートがあります。
壁一面に滝の絵が描かれており、蔵の静けさの中、眺めていると時間を忘れてしまう感覚に陥ります。
いつまでもここにいたいと思わされる、すごい作品でした。
碁会所/須田悦弘
「碁会所」という名称は、かつてこの場所に島の若者たちが集まり、碁を楽しんでいたことに由来しています。
須田悦弘は、建物内の椿と庭の椿、作品が点在する空間と一点のみ置かれた空間とを対比させ、
彫刻と建物からなる作品空間を作りあげました。
(共通チケットより抜粋)

ここは3つのモチーフから成り立っていました。
1つ目は茶室の中に椿の花が点在する空間。
2つ目は同じ茶室で仕切りのみが置かれた空間。
3つ目が庭の椿。
この3つの対比が非常に見事でした。
まさに禅問答を受けているかの様な感覚に捕らわれました。
はいしゃ/大竹伸朗
かつて歯科医院兼住居であった建物を、大竹伸朗がまるごと作品化しました。
建物に廃船部品や鉄塔など様々なものを取り付け、壁や床にペインティングやコラージュを施すことで、「夢の記憶」を辿るプロセスを形にしようとしています。
(共通チケットより抜粋)


奇抜な外装とは打って変わって、繊細な世界観が感じ取られる作品でした。
右手の部屋の青い壁の色の見事さ。
床をぶち抜き、2階とつなげる事により、表現の自由度が格段に上がっております。
随所に施された落書きなどの仕組みは、子どもの息づかいまでもが聞こえて来そうでした。
この空間に夜まで浸っていたい気持ちにされる、素晴らしい作品でした。
如何でしたでしょうか。
2回に分けて、計6作品をお届けさせていただきました。
通して感じた事は、島と言うハードルを作っているからこその作品だと言うこと。
会期外と言うことも有り、人はそれほど多くなかった為、どこも少ない人数の中見ることができました。
そして、その少人数でなければ伝わらないだろうと言うことも同時に感じておりました。
都心で人が押し寄せる場所では決して味わう事ができないアート。
この島に来た物しか体験できない贅沢なアート。
その様な素晴らしい体験をする事ができました。
次は、宮ノ浦エリアについて書いていきますね。
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